うつ病(鬱病)の鍼灸治療


当院での治療は中医(中国で実施されている)の治療法である「頭針」法に似ていますが
自律神経失調症の治療と組み合わせた当院のオリジナルです。

先日、NHKスペシャルで放送されましたDLPFC(前頭前皮質背外側部)の
磁気刺激による鬱病治療
http://www.nhk.or.jp/special/onair/120212.html
を拝見いたしまして、当院の治療法と共通する部分も感じました。

アメリカでの最新の治療法の内容は、頭の外側から脳のDLPFCという部位を狙って
強い磁気刺激を放射するというものでした。
DLPFCという部位は、人の悲しみや不安な気持ちを引き起こす扁桃体を抑制(調整)する
役割をもっているそうで、DLPFCに磁気刺激を与えることにより活性化させ、扁桃体の暴走
を抑えるという治療メカニズムだそうです。

鍼治療ではそのような強い刺激を脳に与えるわけではありません。しかし、たとえば・・・


うつ病ではありませんが、脳神経の一部に変性を起こす疾患にパーキンソン病というのが
あります。
この病気は、脳の部分変性により神経伝達物質を分泌する働きが減少します。
それにより、体のあらゆる部分の筋肉がこわばってコントロールがうまくいかなくなり、
動作が遅くなります。

この病気の方に鍼灸治療をすると、治療前の着替え動作や姿勢などが治療後すぐに
改善
され、「体が軽くなった。」とおっしゃいます。

もちろん脳の変性部分が元に戻った訳では無いと思いますので、一時的効果だけかも
知れません。しかしどの方からも「おかげ様で思ったより進行が遅くて助かります。」と
言っていただいています。

また、鍼灸治療の鎮痛効果の研究ではβエンドルフィンという脳内鎮痛物質が鍼刺激
により分泌促進される
ことは有名ですし、鍼灸により交感神経の抑制因子や副交感神経
の促進因子の分泌を高めたりすることは確認されております。

これらのことのから、鍼灸刺激が(脳に直接刺激するわけではなくても)脳になんらかの
働きがあることはわかります。


当院での鍼灸治療ですが、
もちろん頭の皮膚への鍼通電が直接脳のDLPFCと同じ部分を刺激できているかは
わかりません。しかし治療後の爽快感は得られるようです。

上記の鬱病に対するアメリカでの経頭蓋磁気刺激(TMS)の場合では毎日継続して効果を
得ているそうですが、当院では残念ながらまだ具体的に証明できる程データはありません。



それでもお試しになりたい方はぜひどうぞ。
料金は「一部位治療」扱いです



また、最近NHKスペシャルで
「職場を襲う"新型うつ”」
http://www.nhk.or.jp/special/detail/2012/0429/という番組が放送されました。
従来定義されていたものを「定型うつ」と呼ぶのに対して「非定型」のものを「新型うつ」と
扱っての番組でした。


従来の「定型うつ」は自責の念が強いのに対して「新型うつ」と呼ばれるものは他人を
責めるのが大きな差だそうです。
そして「新型うつ」は職場で症状が出て、会社を休むと元気が出て、飲みに行ったり旅行
に行ったりはできるそうです。
実はこれを病気とするのにはまだ論議があるそうです。
「わがまま」「未熟」「人格形成不全」などとの区別がつきにくいからでしょうね。

また、

『「新型うつ病」は首に原因とする学会発足 雅子さまも?
治療で治せる』

と、J-CASTニュースその他で取り上げられ、話題になっています。


従来のうつ病とはタイプが異なる「新型うつ病」を精神病ではなく、
首が原因で治せると主張する「日本新型ウツ病学会」が昨年2011年12月に発足、
2012年1月26日に記者会見を開いた。


学会理事長に就任した松井孝嘉・東京脳神経センター理事長 (脳神経外科) によると、
交通事故などの外傷のほか、パソコンや携帯電話の普及で、うつむき姿勢の生活が
増えたため、首に負担がかかり、頸筋の異常から自律神経を介してさまざまな身体
症状が現れる。松井さんはこの病気を「頸筋症候群」と命名。
主な症状は頭痛、めまい、微熱、疲労感、ドライアイ、胃腸障害などで、患者さんは
いろんな診療科を回り、十数種類もの病名がつく。

気分の落ち込みや不安、やる気の喪失などが加わる「頸筋症うつ」になると、心療内科
や精神科ではうつ病と診断して抗うつ薬を処方するが、根本原因の首の治療がないため
ほとんど回復しない。そしてこのような身体症状の訴えが多く、症状の波があり、気圧が
下がると悪くなるなどの特徴がある。

また、治らないことからの不安や絶望気分から自殺の率は従来のうつ病の数倍も高い。
松井さんは重症者に対して低周波治療や電気鍼治療を実施しており、患者さんの8、9割は
、うつ症状が3週間、身体症状は3カ月以内に消える、という。
「間違った治療によるむだな医療費、自殺者を減らしたい」と、学会設立を思い立った。

(同学会は脳外科医、神経内科医、内科医ら約80人が参加、事務局は東京都港区虎ノ門
4丁目の東京脳神経センター内。
http://www.j-cast.com/2012/02/19121144.html?p=all)



確かに、慢性の痛み等の症状がいつまでも治らなければ「うつ」
に似た症状が出ても無理はありません。

これを精神科の病名を付けるか否かについて私は述べる立場ではありませんし、雅子さまの
ことも診ていないのでわかりません。
しかし首のまわりの筋肉のコリを治療することは大事だと思います。

あしな鍼灸科での治療では、自律神経失調症の方には必ず頚肩部を診察するのですが、
ほとんどの方はその周辺部のコリ等を整える治療が必要になります。

医療でなかなかなおらない身体症状に鍼灸治療が劇的に(とは
限りませんが)効果がある場合が多いです。