ヒガンバナの観察

田んぼの脇などでお彼岸になると鮮やかに華ひらく。

お彼岸」と言ったら「お墓参り」ですよね。
お墓に生けるのに花屋さんに行くと、結構高いんですよね。
左右に生ける分を考えて2〜3種類買うと、
軽く千円を超えちゃいますよね。

「昔からみんな、こういうことしていたのかな?」
と年配の人に聞くと、
「昔は自然に咲いているのを摘んできて生けたんでしょ?」
と言う返事が返ってきました。

じゃあ、お彼岸だからヒガンバナを生けてもいいのかな?
と聞くと、
「あんまりそれはしないわね。第一、
毒々しいでしょ。」
と言われました。

「せっかく綺麗に咲いてるのにな。 
タダだし。」
と思ってよく見てみると
葉っぱが見当たりません。
なんで?葉っぱがなきゃ、光合成できないでしょ?
人に聞いてもみんな知りませんでした。

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それで調べてみたら、
「葉は花の咲く前に突然無くなり、花が終わると出てくる。」と書いてありました。 
えっ?

上の写真は、2005年、和歌山の実家の近くの田んぼの脇です。
9月17日(土曜日)にポツリポツリ咲き初めたヒガンバナが
4日後の21日(水曜日)に見たらいっぱいになっていました。
アゲハ蝶も一緒だったのでパチリ、です。

彼岸と言うのは春分の日と秋分の日の前後3日の間の7日間のことで
仏教行事なのですが日本独特のもので、他の仏教国には無いものだそうです。
これも
意外ですよね〜。
亡くなった先祖たちの霊が住む世界を「彼岸」つまり、あの世でしょうか。
こちら(此方)の岸から見て、あちら(彼方)の岸と言う意味ですね。

このヒガンバナ科の多年草は、他に色々な呼び名があります。
曼珠紗華(まんじゅしゃげ)、死人花 (しびとばな)、天涯花 (てんがいばな)
そのほか、
幽霊花(ゆうれいばな)捨子花 (すてごばな)、剃刀花(かみそりばな)、
狐花(きつねばな) 等があります。
日本では「不吉である」とか「家に持ち込むと火事になる」とか嫌われる傾向があるようです。

冬と春の間は、葉だけなのですが 夏近くなると全く消えてしまうそうです。
お彼岸になると、忘れもせず、 突然茎が伸びてきて
鮮やかな色の花を咲かせて1週間ほどで枯れる。
花のあとで葉が伸びてくるが、花と葉を同時に見ることはできない。
このことから 韓国では「サンチョ(
相思華)」と呼ぶそうです。

「花は葉を思い、葉は花を思う」ですって。 まるで私の人生のようです。


どんな葉っぱなのかと、ネット検索でさがしてみても
花と茎の写真しかなくてわかりませんでした。

そこで私は、
彼岸花だけで他に何も生えていない場所をさがして観察・撮影をしました。
道端です。
田んぼのあぜ道の方は他の草もあるのでまぎらわしいですし、
第一、ヒガンバナの葉が伸びてきたら刈られてしまいました。

ところで彼岸花って赤・黄・白・赤白の混じり・ピンクのがあるそうですけど、
土質で色が決まる、と聞いていましたがこんな情報もありました。
白い彼岸花がショウキズイセン(鍾馗水仙)との交雑種と言うんです。
シロバナマンジュシャゲ(白花曼珠沙華)と呼ばれるそうです。
黄色の彼岸花の球根を販売しているところもありました。
ですから色は品種の違いと言うことでしょうね。

花が咲いていて、
 ここは他に何も生えていません。

花が枯れました。
 
茎は残ってますが葉は出ていません。

茎も無くなった後、葉が出てきました。

葉が伸びてきました。

葉は拡大するとこんなです。割と厚みもあります。

 葉はどんどん伸びてます。
  
↓ 
だんだん倒れる程に伸びました。      ↓ 葉の先の色が変わってきました。

ほとんど倒れてしまい、
 
葉先がみんな枯れてきました。

あ〜あ、こんなになっちゃいました。
 
もうほとんど枯れてます。

ちょっと見ない間にほとんど無くなりました。
 
(近くで工事していて邪魔物があります。)

もう、跡形も無いですね。土の中では
  
お彼岸に向けて準備してるのかな。

あいかわらず何もありません。
 
土が雨で流されたせいか
 小さな丸いものが見えてます。
球根かな?

ん?何か出てきましたよ。そう言えば
 お彼岸が近づいて来ましたね。
この日は 彼岸の入り一週間前です。

これが上の9月13日の@
 の部分の拡大写真。


 →
 
同じくこれがAの部分の拡大写真。

あちこちたくさん出てきましたよ。(右の2枚はその拡大写真)お彼岸が近づくと、ちゃんと準備を始めるのですね。

この日は「彼岸の入り」。
 にょきにょき伸びて先に蕾を付けてます。
 どうして暦(こよみ)がわかるのでしょう。
 昼と夜の時間が同じになるのが
 わかるのでしょうか。


ちなみに右の写真は同じ日の、
 日当たりのいい、田んぼのわき道の
 ヒガンバナです。
 ちらほら咲いているのもありました。


 
電柱の脇のは、実は狭い路地なんです。
 
自転車がすれ違うのにはどちらかが
 止まらないと危ない位の。

はい、この日はお彼岸の中日です。たくさん咲いてきました。
 ネット検索して調べて見ますと、
 根元を掘るとチューリップのように球根があるそうです。
 「鱗茎にアルカロイド(リコリン)を含む有毒植物であり、この毒は
 水にさらして抜くことが可能で澱粉に富むため、
 古くは救飢植物として食用とされた。
 このため田畑の畝に植えられることがある。」
 とありましたが、モグラよけに植えているとの説もありました。

 また先日、昭和7年生まれの方からこんなお話を聞きました。
 「わしら子供の頃、軍でヒガンバナの球根を集めろと言われて、
 皆で競争して袋いっぱい集めたもんですわ。
 軍に持って行って褒美をもらいました。いえ、褒美と言っても
 その時分の子供へのもんですさかいに、帳面とか鉛筆とかですけどね。」

・・・それにしても不思議な花です。実も種も付ける訳じゃないのに・・・なんでこんなにあわてて咲く必要がある?
小さな球根からほんの2〜3日で40〜60cmもしっかりした茎を伸ばして、そしてこんな大きな花。

開花は気温じゃないですよね。だって咲くのは全国一斉だそうじゃないですか。
8月から咲いた報告もあるようですけどポツリポツリです。そして寒い地域・場所ほど早く咲く訳でも無いようです。
気温の関係だったら桜前線の逆で、北海道〜九州まで1〜2ヶ月かけて移っていくでしょうしね。


花言葉は
「悲しい思い出」 「想うはあなた一人」 「また会う日を楽しみに」 でした。

日本軍が何のために集めさせたんでしょうね。食料の為ならじゃが芋とかさつま芋のほうがよっぽど効率がいいはずだしね。
もしかしたら化学兵器の研究材料だったとか。どなたか情報ありません?

うちのご近所さんの玄関の外に置いているサボテンに、たまに咲く「月下美人」です。
花びらがとっても薄くって、そよ風に細かく震え、何とも言えない繊細で上品な美しさを持つ花ですね。

早朝に開いて、お昼にはもう弱ってきます。翌日にはふにゃふにゃです。
盗まれないか心配になります。

花

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