自律神経失調症って何でしょう?
うつ病とかと勘違いしてる人が案外多いです。

体がだるい、熱っぽい、肩こり、頭痛、食欲がない、眠れない・・・。
実際に うつ症状が伴う場合もあるし、ない場合もあります。
体の方は病院で検査を受けても「特に悪いところはない」と言われるので、
それでも苦痛なのを訴えると精神科を紹介されたりします。

百歩譲って精神科を受診して、処方していただいた薬を飲んでもやはり治らない・・・
こんなのが長期間続くと社会生活にも支障が出てきて、・・・それで 憂鬱になりますよね。

それが「ストレス病」の代表的症状である「自律神経失調症」です。
忙しすぎる日常生活、複雑な人間関係、多数の事件や環境の変化など、
私たちの周りにはストレスの元がいっぱい。

そんな中、ストレスを全く感じないという人はおそらくいないでしょう。
心身のストレス状態が続くことにより容易に影響を受ける自律神経ですから
「気のせい」や「我慢」で片づけることは禁物です。
一日のストレスはなるべくその日のうちに解消してあげましょう。


まず、現代医学の考え方から


自律神経のしくみ

 私たちの脳の中では、大脳、小脳、脳幹それぞれが専門の情報を処理し、互いに連絡し合いながら、
体の各器官へ指令を送っています。脳と脊髄にあり総合的な司令塔の役割をするのが「中枢神経」で、
神経繊維を通して体の各器官との情報交換を行っているのが「末梢神経」です。

 「末梢神経」は、働きの違う二つに分類されます。一つは自分の意思で体の部位を動かすための神経
「体性神経」、もう一つは人間の意志とは関係なく無意識で働く「自律神経」です。
 その「自律神経」は、さらに「交感神経」と「副交感神経」の二種類から成り立ち、全身の臓器や器官の
コントロールを行っています。

 私たちが緊張すると、ドキドキしたり汗が出たりすることを経験しますが、これは「交感神経」が優位に
働いているからです。また、消化液の分泌を抑制したり、精神活動を活発にする役目を担っています。

 反対にリラックスしている時には、「副交感神経」が優位になっています。鼓動、呼吸、血圧などが減少し、
エネルギーの消費を抑える役目を担います。消化液の分泌は逆に促されます。

 このように、自律神経は発汗や消化活動の促進・減少を行うことで恒常性(ホメオスタシス)を
維持するために働いています。

 身体が健康な状態では、「交感神経」と「副交感神経」がシーソーのようにバランスよく作用しており、
身体機能を調整しています。
しかし、心身のストレス状態が長く続くと、どちらか一方がずっと働き続けるなど、
自律神経のバランスがくずれてしまい、身体は種々の不調をきたします。
これがいわゆる「自律神経失調症」です。

         



自律神経失調症の症状とその原因

 自律神経失調症は、特に原因が思い当たらないのに倦怠感、脱力感を慢性的に感じ、体の各器官に
様々な不調があらわれます。同時に気分が沈みがちになったり、わけもなくイライラしたり、無気力になったり
と精神的な症状があらわれることもあります。
これらの不調は各個人によって異なり、症状の出方も不安定で一定していません。(=不定愁訴)


 男女間での症状は類似していますが、原因には特徴的な点があります。
女性は更年期による女性ホルモンの低下が影響することにより、「自律神経失調症」にかかりやすく、
のぼせやほてり、耳鳴り、頭痛、腰痛などが多く見られます。
男性もホルモンの低下により関節痛、筋力低下、除脂肪体重の増加などといった身体症状が見られますが、
どちらかというとホルモン低下の症状よりも、心理社会的ストレスによる抑うつ、いらだち、疲労、不安、無気力
などの精神・心理症状が中心となっているようです。


 健康な人ならば2〜3日で回復する疲労が、自律神経による疲労ですと日が経つほどに悪化し、何をするのも
おっくうに感じられます。病院の検査でも異常が見つからず、気分が晴れずにイライラしたり、自分の行動が
スムーズに運ばないことに焦り、更に落ち込みがひどくなる・・・という悪循環も考えられます。






ストレスと自律神経の関係

 私たちの日常は、家族関係、対人関係、社会的状況など、各個人のライフサイクルに伴ってたくさんのストレス源
に囲まれています。「ストレス源」とは心身にストレスを感じさせる、内部と外部からの刺激のことです。

そのストレス源によって影響された心身の状態が「ストレス」です。ストレスには「身体的ストレス」と
「精神的ストレス」があります。「身体的ストレス」は、様々なストレス源を体がストレスと感じるもの、
「精神的ストレス」はストレス源によって心が反応する感情を伴った心身状態です。

 この二つはどちらも“外部環境によって起こる心身状態”と言えるため、外部要因によるストレスと呼ばれます。
ですが、そのような外部要因だけでなく、性格や体質、考え方、ストレスを受けた時の適応能力などといった
個人の内的要因に絡み合うことで発症の原因となることが多くあります。

 例えば、何かストレスを受けた時に「イヤだな」「どうしよう」「私はダメだなあ・・・」と思ったり、
プレッシャーを感じたりすると気持ちがマイナス方向へ向かってしまいます。また、喜怒哀楽に関することや
本能的な欲求などの出来事が起こった時、強く感情を抑制することも内的要因のストレスとなります。

 ストレス源によって生み出された不安、緊張、動悸などのストレスが、個人の許容範囲を超え対処しきれなく
なった時、自律神経のバランスがくずれて体に様々な症状があらわれてしまうのです。

 自律神経失調症は早い段階で適切な治療や日常生活を見直すことで、確実に改善に向かいます。焦らず積極的に
治療に参加すること、そして何と言っても、神経系の働きに悪影響を与える「ストレス」を減らすことが第一です。






自律神経失調症の原因

症状が一人一人違うように、その原因もまた一人一人違います。
自律神経のバランスが乱れるのには、いろいろな原因が複雑にからみあっていると言われています。

・ 生活のリズムの乱れ
夜更かし、夜型人間、夜間勤務や、子供の頃からの不規則な生活習慣など、人体のリズムを無視した
社会環境やライフスタイル

・ 過度なストレス
仕事などの社会的ストレス、人間関係、精神的ストレス、環境の変化など、過剰なストレス

・ ストレスに弱い体質
子供の頃からすぐ吐く、下痢しやすい、自家中毒、環境がかわると眠れないなど、生まれつき自律神経が
過敏な人もいる。
また思春期や更年期、身体が弱っているときは自律神経のバランスが乱れやすい

・ ストレスに弱い性格
ノーと言えない、感情処理が下手、気持ちの切り替えができない、人の評価を気にしすぎる、
人と信頼関係を結ぶのが苦手、依存心が強いなど、ストレスへの抵抗力が弱い傾向のある人もいる

・ 環境の変化
現代の生活は適応能力が衰えやすく、社会環境の変化、人間関係や仕事などの環境の変化などへの
不適応や過剰適応が増えていると思われる

女性は一生を通じてホルモンのリズムが変化しつづけ、この変化が自律神経の働きに影響を与えます。




自律神経失調症の症状

頭痛、頭重感

耳鳴り、耳の閉塞感

口の乾き、口中の痛み、味覚異常

疲れ目、なみだ目、目が開かない、目の乾き

のど のどの異物感、のどの圧迫感、のどのイガイガ感、のどがつまる

心臓・血管系 動悸、胸部圧迫感、めまい、立ちくらみ、のぼせ、冷え、血圧の変動

呼吸器
息苦しい、息がつまる、息ができない、酸欠感、息切れ

消化器 食道のつかえ、異物感、吐き気、腹部膨満感、下腹部の張り、腹鳴、胃の不快感、
  便秘、下痢、ガスがたまる

手のしびれ、手の痛み、手の冷え

足のしびれ、足のひえ、足の痛み、足がふらつく

皮膚 多汗、汗が出ない、冷や汗、皮膚の乾燥、皮膚のかゆみ

泌尿器 頻尿、尿が出にくい、残尿管

生殖器 インポテンツ、早漏、射精不能、生理不順、外陰部のかゆみ

筋肉・関節 肩こり、筋肉の痛み、関節のいたみ、関節のだるさ、力が入らない

全身症状 倦怠感、疲れやすい、めまい、微熱、フラフラする、ほてり、食欲がない、眠れない、
 すぐ目が覚める、起きるのがつらい

精神症状 不安になる、恐怖心におそわれる、イライラする、落ち込む、怒りっぽくなる、
 集中力がない、やる気がでない、ささいなことが気になる、記憶力や注意力が低下する、すぐ悲しくなる


自律神経失調症と関係の深い病気

症状が特定の部位に強くあらわれた場合は別の病名がつけられることもあります。
以下のような病気は自律神経失調症の一種もしくは仲間ともいえます。

循環器系 ・・・心臓神経症、不整脈、起立失調症候群、起立性調節障害
呼吸器系・・・ 過呼吸症候群、気管支ぜんそく、
消化器系 ・・・過敏性大腸症候群、胆道ジスキネジー、神経症嘔吐症、反復性臍疝痛、神経性下痢
神経系 ・・・偏頭痛、緊張性頭痛
耳鼻科 ・・・めまい、メニエール病、乗り物酔い、咽喉頭異常感症
口腔外科・・・ 口内異常感症、舌痛症、顎関節症
皮膚科・・・ 円形脱毛症、発汗異常、慢性じんましん
泌尿器系 ・・・膀胱神経症、夜尿症、心因性排尿障害
婦人科 ・・・更年期障害




自律神経失調症の4つのタイプ

◇本態性型自律神経失調症
要因:生まれつき自律神経の働きが乱れやすい
特長など:低血圧、虚弱体質、体力に自信がない人に多い
 
◇神経症型自律神経失調症
要因:心理的なことから
特徴など:自分の身体の不調に敏感な人がなりやすい
身体的な不調が多くみられる場合に神経症ではなく自律神経失調症と診断される

◇心身症型自律神経失調症
要因:感情や疲労などの日常生活のストレスを無理に抑えること
特徴など:約半数がこのタイプ。あらわれる症状やその重さが様々

◇抑うつ型自律神経失調症
要因:ストレスの慢性的な蓄積などによるうつ反応
特徴など:抑うつ気分が身体の症状に隠れて発見されないと『うつ』に対する適切な治療が行われないことになる


自律神経失調症の治療方法

症状・タイプなどにより、身体と心の両面に働きかける治療、生活環境を整えるなどのことを行う必要があります。
体質・性格・ライフスタイルの歪みにも注目して見直し改善することが必要でしょう。

・ 自律訓練法などによるセルフコントロール

・ 薬物療法

・ カウンセリングなどの心理療法

・ 指圧やマッサージ、整体、鍼灸、ストレッチなどの理学療法

・ 音楽療法やアロマテラピーなど五感に働きかける治療法

・ 自己管理によるライフスタイルの見直し
生活のリズム、食事、睡眠、運動、心にゆとりを持つ、ストレス耐性の強化、感情処理・・・など                                    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
鍼灸治療では・・・
上にまとめましたのは自律神経失調症の一般的医学知識です。
治療方法の中のひとつに「薬物療法」とあるだけで、こうすれば治るというはっきりした概念がありませんね。
そして、ずっと読んでいただければ、自己管理・養生が必須なことも感じますよね。

東洋医学の2本柱、湯液(とうえき:漢方薬)と並ぶ鍼灸では
「体に気血を巡らせ経絡の運行を整え先天の源気をみなぎらせ・・・」
何のことかわかりませんね。具体的には体質改善のページを見てください。

知っていただきたいのは、
現代医学の「交感神経と副交感神経」という二元的な見方ではなく、
東洋医学では実に細かく分類して対処する、ということです。






鍼灸治療の実際
                                       (編集中)







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