うつ病の鍼灸治療と体質改善・アンチエイジング  
                         
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鍼灸(東洋医学)による治療では、大きく分けて2つの方法があります。
表治(ひょうち)法と本治(ほんぢ)法です。

本治法が体質改善の治療なのですが、その治療だけでは効果が本人になかなか自覚してもらえません。
中にはすぐにわかる方もおられますが、しばらく続けてから振り返ってみて分かる、という方がほとんどです。

しかしお金と時間を払って治療に通うのですから、少なくても今困っている症状を早く改善してもらいたいですよね。
そこで症状に対して働きかける刺激をします。これが表治法です。

ちゃんとした東洋医学的な治療を行う場合は
「本治法をきちんとしながら、表治法で目の前の苦痛を早く楽にする」
治療をするのです。


どちらが欠けていても体質が改善されません。
一時的な効果のみで再発を繰り返してちっとも治療が進まなかったり、
「これが正しい治療だ」と説得させられるばかりで症状が改善しなかったり・・・です。


東洋医学では現代医学的な病名分類と違います。別のものが同じ分類だったり、その逆だったり。
たとえば、

目の不調

眼精疲労・白内障・緑内障・飛蚊症・眼底出血・結膜炎・麦粒腫(ものもらい)・眼瞼縁炎・鼻涙管閉塞など。
東洋医学では眼は肝臓と関わります。目のツボと肝臓の機能を良くするツボにそれぞれ働きかけることにより、目の状態を良くします。

ただし、感染症(細菌やウィルスなどが原因)の場合は、現代医学の薬を併用していただくのが必須です。
抗生物質等の薬の無い時代は、東洋医学で日数がかかっても(すべてとは言いませんが)治していたのですが・・・。

眼精疲労が溜まって来ると頭痛、視力減退等とともに肩凝りも伴いやすくなりす。目を良くすることで頭痛を解消していきます。
網膜炎や網膜血管硬化症のうち、糖尿病や高血圧の原因のものはその疾患の治療も加え、視力障害の治療を併用すれば
効果があることがあります。


耳鼻咽喉の不調

耳管狭窄症・急性中耳炎・難聴・耳鳴り・めまい・咽頭炎・口内炎・かれごえ・歯痛など。
東洋医学では耳はと関係し、腎は水分代謝や老化に関係します。老化に対して腎を補うことを補腎と言います。
腎を補うことで耳の状態を改善していきます。

めまい・耳鳴り等は、水分が身体に溜まり流れがわるくなることでも起こります。
耳のまわりのツボや腎の経絡に鍼を施すことで、体液の流れを良くし耳鳴り等を改善させていきます。


筋肉等運動器の不調

肩こり・筋肉痛・腰痛・五十肩・関節リウマチ・腱鞘炎・(肘肩膝などの)関節痛・腱周囲炎・捻挫など。
運動器の炎症等へのはり治療の効果は古くから知られています。鍼をすることで血行を改善し痛みの物質を流します。
また、お灸により白血球を増加させ免疫作用を働かせることで、痛みの悪循環を断つことができます。


循環器や内分泌の不調

動悸・胸部痛・不整脈・高血圧・低血圧・動脈硬化・糖尿病・痛風・バセドウ病・甲状腺機能低下など。
鍼灸の自律神経安定作用により胸部痛・動悸・不整脈等を軽くしていくことに効果があります。

高血圧は頭痛・便秘・不眠を起こします。これらを治していくと同時に高血圧も改善されます。高血圧の体質に対処する鍼灸をしていきます。
低血圧症は四肢冷感・めまい・頭重・胃部重圧感・過敏大腸等が伴う場合があり、消化器系・精神神経系の機能を高める鍼をツボにしていく、
等で改善していきます。

糖尿病では膵蔵機能の低下、糖代謝障害を鍼灸で補強します。甲状腺の機能異常には心臓に働きかけるツボを使い心悸亢進を抑えたり
甲状腺の周辺部分に浅い鍼をして恒常性機能を促進します。


神経や精神、心の不調

頭痛・顔面神経麻痺・上腕神経痛・肋間神経痛・坐骨神経痛・大腿神経障害・不眠・自律神経失調症・うつ病・躁鬱病など。
鍼灸は、神経と精神に関わる繊細な部分に鎮静効果があります。

首の周りやみぞおち・背中の緊張を除く鍼灸治療により不眠を治します。
抑鬱神経症・鬱病は呼吸困難・下痢・めまい等の症状を訴える場合も多く、その症状を改善することで自律神経を整え、
神経症や鬱症状を改善していきます。

脳出血・脳梗塞による片麻痺の運動障害と感覚障害には早期の鍼灸治療により回復の手助けになる場合があります。
中国では積極的に鍼灸によるリハビリをしています。


消化器の不調

嚥下困難・嘔吐・胃炎・胃下垂・胃酸過多・胆嚢炎・胆石症・下痢・便秘・肝炎・蛋白尿・尿管結石・頻尿など。
東洋医学では肝臓はストレスの臓器といわれています。肝臓がストレスを受けると消化器に影響を与えます。

肝臓・ストレス・消化器のツボに対して鍼灸をして治していきます。
下痢・便秘には、そのツボに鍼灸で働きかけ、蠕動運動・水分代謝を良くします。

頻尿は、自律神経失調による冷えやストレスによる冷えや腎機能の低下によりおこります。
これらも循環改善治療で体を温め体質を改善し、ストレスを調整するとともに腎機能を高めるツボを使い鍼灸をします。

肥満に対しては、血行循環を良くして新陳代謝を良くするとともに、満腹中枢に働きかけて食欲抑制効果のある耳鍼治療等
を組み合わせて治療にあたります。


呼吸器系の不調

風邪・気管支炎・喘息・しもやけ・皮膚いぼ・蕁麻疹・脱毛・花粉症など。
風邪による喉の痛み・鼻水・咳き・痰は温熱療法や肺の経絡に働きかける鍼灸で症状を改善することで抵抗力を増します。

花粉症に代表される鼻炎は東洋医学では肺の経絡に鍼灸をして鼻粘膜の過敏性を抑え過剰な抗体の産生を抑制します。
また消化器の機能低下が関わることも多いので消化器のツボに鍼灸をして全体を改善します。

喘息は内因としてアレルギー体質や肺と消化器の弱さがあります。外因は気候の変動・ストレス・不眠・食の不摂生等が挙げられています。
それらの因子応じて鍼灸により対処していきます。

皮膚は東洋医学では肺と大腸の経絡と関係しています。かゆみ・ジンマシンは皮膚・消化器に関係するツボに鍼灸を施します。


その他、がん、リウマチ等

がん,リウマチ,自己免疫疾患等
ウィルスや細菌の侵入と戦う白血球・リンパ球は人間の体が備えている自然免疫です。

鍼灸治療は自律神経のバランスを整え、体のストレスを調節することで免疫力の自己調整力を高め、難しい病と闘えるようにします。
つまり、東洋医学は弱った部分のコンディションを整えてその人の持つ抵抗力を最大に発揮させるお手伝いをいたします。

最近、熱ストレス蛋白が癌を攻撃することがわかりました。お灸によってできる微少な火傷はそれを体内に作り、その作用として
癌等の間違ってできた細胞を自然に小さくする作用が期待されます。






定期的に鍼灸治療を継続することで、いわゆる未病治(いまだ病に至らざるを治す)と言われる効果が発揮されます。
アンチエイジングという言葉は美容界のイメージが強いですが、元気な自然美・健康美獲得こそ東洋医学の本領なのです。

美容の世界で最近話題の「繊維芽細胞」も、鍼灸では「目的の場所で働かす」効果がある、と注目されています。